水槽の掃除屋で愛くるしい動きが魅力のオトシンクルス|飼育方法
- 2020.06.08
- くらしのアクアリウム

アクアリウム、特に水草水槽をしている方で知らない人はいない「オトシンクルス」。
メンテナンスフィッシュとしてとても優秀で、見た目も可愛らしく女性からのファン層も厚いオトシンクルス。その可愛さと性能をご存知ないという方はこの記事でオトシンクルスの魅力に触れ、あなたのその苔にまみれた水槽に加えてみてください。
オトシンクルスとは
オトシンクルス(Otocinclus)は、ナマズの仲間でアマゾン川などの南米に生息している体長3cm〜10cmほどの小型の魚、口が吸盤状になっていて水槽のガラス面や流木、水草などに「張り付いて」生活している。もちろん魚なので泳ぐこともありますが、ほぼほぼ張り付いていることの方が多く、のんびりとしたその雰囲気に魅了される人も多い。
オトシンクルスは水槽の掃除屋である「メンテナンスフィッシュ」「タンクメイト」と呼ばれ、アクアリウムをする上で大敵となる苔の繁殖を防いでくれる役目を持っている。
よく販売店やホームセンターに並んでいるオトシンクルスは「Otocinclus vittatus」という種類で、小型種、サイズも最大で5cmほどにしかなりません。数種類をまとめてオトシンクルスとして販売されていたり、「並オトシン」という名で販売されていたりします。
他の種類として、オトシンクルス・ネグロ (Hisonotus leucofrenatus)、ゼブラオトシンクルス (Otocinclus cocama)、パロトシンクルス・マクリコウダ (Parotocinclus maculicauda)、オトシンクルスとしては最大の大きさ10cmほどになるジャイアントオトシン(Hypoptopoma thoracatum)などの種類がいます。
今回紹介したいのはオトシンクルス(Otocinclus vittatus)。
メンテナンスフィッシュ・タンクメイトって?
アクアリウムを始めようとすると、まずすぐに熱帯魚を入れたいと思われる方も多いかと思います。そこで耳にするのがメンテナンスフィッシュやタンクメイトという存在。それとパイロットフィッシュですね。
熱帯魚の飼育に水は欠かせませんが、この水が魚達にとっては有毒のものになったりします。それが水道水。
水道水には魚にとって有毒なカルキ(塩素・石灰のこと、消毒に用いられる薬品)が含まれていて、水道水を張った水槽にすぐに魚を入れてしまうと死んでしまいます。そこでカルキ抜きのできる専用液をつかったり、水道水を張った水槽を3日間ほど日光に当てたりしてカルキを抜く作業をします。
その後2週間ほどフィルターを回し、水が「できあがり」、魚が元気に泳げる環境ができたかどうかを確かめるためにまず投入する魚のことを「パイロットフィッシュ」と呼びます。つまり、パイロットフィッシュは特攻隊であり毒味役、ペンギンの先頭の役目をします。
話が逸れましたが、パイロットフィッシュや水草を入れ、その後メンテナンスフィッシュ・タンクメイトと呼ばれる生体達を入れます。これは、オトシンクルスやヤマトヌマエビ、フライングフォックス、石巻貝など、苔を食べて掃除をしてくれる魚のことを指します。
タンクメイトもメンテナンスフィッシュと同様で、水槽の仲間という意味があります。このメンテナンスフィッシュ・タンクメイトの代表格なのがオトシンクルスとヤマトヌマエビ。
この二種が一番オーソドックスでポピュラーな組み合わせ。この二種さえ入れておけば、大体のことはうまくいきますし、エビの魅力にも気づかされる羽目になると思います。
ヤマトヌマエビとオトシンクルス。
オトシンクルスの飼育方法
オトシンクルスは最大でも5cmほどのサイズにしかならず、そこまで大きな水槽でアクアリウムを楽しんでいない人でも十分育成することができます。もちろん大きな水槽で飼育する方がいいのですが、45cmや30cmでも育成は可能。その際は飼育する数に注意しましょう。環境にもよりますが30cmで2〜3匹まで、45cmで4〜5匹までくらいでしょうか。
水温は一般的な熱帯魚と同じ程度の25度くらいが適温です。高温すぎたり(30度前後)低温すぎたり(20度以下)すると極端に動きが鈍くなり、徐々に弱り死んでしまいます。
また水温や水質の急激な変化に非常に弱いので、水槽に入れる際の「水合わせ」は十分に行いましょう。購入してきたときは酸素の注入された袋に入っているはずなので、その袋のまま水槽に入れてしばらく浮かばせておきます。これは水温を水槽と袋で合わせるためです。30分くらいは浮かべておきましょう。
その後袋を開けて、水槽内の水と袋の中の水を交互に少しづつ入れていきます。これも時間をかけてゆっくりと。こうすることで徐々に水質も馴染み魚達がびっくりすることなく水槽に入ることができます。
オトシンクルスにエサは必要?
基本的には水槽内に生えた苔だけを食べますが、雑食性なので人工飼料を食べさせることもできます。ただ餌付けをするのは難しく、苔のない水槽で飼っていると餓死してしまうこともあり注意が必要です。苔の取り合いにならないためにも水槽内には適正な量のオトシンクルスだけを飼うようにしましょう。
プレコやコリドラスの餌のタブレット系やアカムシなども食べるので、そういったものに慣れさせると餓死させることは少なくなります。
が、あまりに高頻度で人工飼料にされさせると逆に苔を食べなくなり、水槽内が苔まみれで景観も何もあったもんじゃなくなります。人工飼料をあげるのは低頻度かおく少量にするようにしましょう。これはオトシンクルスだけでなくエビなどのメンテナンスフィッシュ全般に言えることです。
ときどき柔らかくなった水草も食べます。
オトシンクルスと混泳できる魚
オトシンクルスはとても温和な魚で、他の生体を襲って食べたりすることはありません。同サイズの魚であれば大抵どの魚でも混泳させることはできますが、あまりに体格差のある魚を入れてしまうと襲われたり食べられてしまうこともあるので注意しましょう。
オトシンクルスの繁殖は可能?
オトシンクルスの平均寿命は3年ほどと言われています。
3年生きることもあるのでもちろん繁殖の可能性もありますが、正直かなり可能性は低いです。
コツとしては、苔や水草などエサと隠れる場所がたくさんあることと、水槽内にオスを多めに入れてメスをオスの半分くらいの数にすること。オスとメスの違いはお腹周りを見ればわかりますが、ここは店員さんに聞いて入れてもらうようにしましょう。ただこれはサービスの範疇なので、店員さんに無茶は言わないようにし、オスとメスの割合が2:1くらいになったらラッキーくらいに思っておきましょう。
オトシンクルスは卵を産みます。卵は小さく1mmほどしかありませんので見つけることができたら優しく取り、サテライトなどで隔離して育てましょう。
孵化してしばらくはエサは必要ありませんが、5日ほど経ったら稚魚の餌の定番「ブラインシュリンプ」を与えます。これはどのアクアショップにも必ずありますし、最近ではホームセンターでも置いてあったりします。また手に入らなければ「ドライイースト」でも代用可能です。
オトシンクルスはどこで買える?
オトシンクルスは熱帯魚ショップであればほぼどこでも入手可能、またアクアリウムのど定番の魚ですので、ホームセンターでもかなりの確率で販売されています。
お値段も手頃なものが多く、手を出しやすいのもありがたいですね。
もちろんネットショップでも購入可能です。
こちらも定番のネグロ。模様がまだらに入り、ちょっとエキゾチックな印象があります。オトシンと性能も体格もほぼ変わらないので好みで選びましょう。繁殖はややねぐろの方が容易です。ショップに寄り置いていない場合もあるのでネットで購入した方が早いかもしれません。
オトシンクルスの魅力
オトシンクルスは、メンテナンスフィッシュとして有能なだけでなく、その可愛さも大変優秀です。
水槽を覗くたび、
どこかにへばりついています。おい、苔の掃除はどうした、と思うこともありますがへばりつきサボる君が可愛い。
並んでサボったり、
なぜか石に挟まったり、
入れたばかりの綺麗なバイオレットグラスに入っていったり、
苔の生えるわけない水面をハグハグしたり、
集団でサボれば怖くない。
こんなオトシン、もう苔を食べなくてもいいから水槽内にいてください。
一度水槽内にお迎えしたら最後、その魅力にもう虜になるはずです。
まとめ
オトシンクルスはとっても可愛い。
▶︎水温には注意
▶︎エサは基本苔で人工飼料もたまに
▶︎複数街は可能でも苔不足は注意
▶︎繁殖はできるが非常に難しい
▶︎水合わせはしっかりと!
ぜひこの機会にオトシンをお迎えしよう。
くらしをあげる、kuranでした。
■オトシンは可愛い■
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