アフィオセミオン・オーストラレ|卵生メダカの飼い方・育て方

アフィオセミオン・オーストラレ|卵生メダカの飼い方・育て方

アフィオセミオンは、非年魚卵生メダカになります。

おなじみのグッピーやメダカなどの卵胎生メダカではないので、なんとなく飼育は難しそうな印象を持たれるかもしれませんが、全然そんなことはありません。飼いたいけどどうして育成するのがいいのか、可愛いから飼ってみたいけど…、という方に読んでいってほしいと思います。

アフィオセミオンについて

アフィオセミオン(Aphyosemion)は、熱帯性卵生メダカ最大のグループで西アフリカ原産、アンゴラ、ガボン、カメルーン、コンゴなどに分布しています。

見た目にも派手で美しいものが多く、そのフォルムも通常のメダカよりもヒョローっと長くスタイリッシュな姿をしていて、やや大型になるものもいます。基本的には3年くらい生きることができます。

アフィロセミオンは卵生メダカで、「泳ぐ宝石」と称されるほど美しい体色を持っています。卵生メダカと言う聞きなれない言葉と宝石という異名にその販売価格で、初心者にはとっつきにくいメダカのような印象を受けます(中には飼育が難しい種類もいます)が、今回オススメしたいアフィオセミオン・オーストラレの飼育難易度は低めなので、ぜひ飼ってみたいなと思われた方は挑戦してみてほしいと思います。

写真はアフィオセミオン・オーストラレ・ブラウンのオス。

メスはほぼヒメダカのような地味な体色で赤やピンクのスポットが入る。

こちらはアフィオセミオン・オーストラレ・オレンジのオス。

鮮やかなオレンジ色が目を引きます。

 

卵生メダカ・卵胎生メダカとは

グッピーや一般的にホームセンターなどで見かけるメダカなどは「卵胎生メダカ」で「胎生メダカ」とも表記されていることもあります。卵胎生メダカとは、お腹の中で卵を孵化させ、稚魚として体外へ生み落すメダカのことです。

一方、今回紹介するアフィオセミオンは卵生メダカで、稚魚ではなく卵の状態で水草などに産み付けるメダカのことを指します。

卵生メダカは大きく三つの種類に分けられ、南米に住むシノレビアスの仲間、東アフリカに住むノソブランキウスの仲間、そして西アフリカに住むアフィオセミオン。そのどれもが美しい体色をしており、性格もやや横暴だったりします。

年魚」と「非年魚」?

卵生メダカの種類には「年魚」と「非年魚・多年生魚」がいます。

年魚は1年しか生きられない魚で、非年魚は数年買うことができる魚と言う意味です。これは、その種類の住む環境のせいでそのような生態となっていて、シノレビアスやノソブランキウスの仲間は年魚で、彼らの住む環境は、一年間に乾季と雨季が存在し、雨季の間にできた水たまりの中に卵を産み、乾季がきて水たまりが干上がってしまってもそのまま卵で歓喜を耐え抜き、また雨季が来た時に孵化するという過酷な環境のため一年で世代を交代します。

非年魚のアフィオセミオンは、年中を水の中で育つので、ぬくぬく育ち長生きすることができます。そのため、非年魚の繁殖は比較的容易で、通常のメダカのような飼育で割と繁殖がうまくいったりします。一方、年魚の卵は、雨季の後の乾季の環境を再現するため、一度卵を乾燥させる必要があり、飼育・繁殖にはやや上級者向けのテクニックが必要になります。

アフィオセミオンの種類

アフィオセミオンは、卵生メダカ最大のグループなだけあって、その種類も多岐に渡ります。

ガードネリィ、オイセリィ、カリウラム、アマイティ、エキシゴイデム、オゴエンセ、ウォーカアイ、ガブネンセ、ゲーリー、シナモメウム、ショーステディー、スプレンバージ、シュミッタイ、バテシー、ビタエニアタム、フィラメントサム、ブルーニンジ、ボルカナム、ミンボン、モンロビアイ、ブアラナム、セリアエ、ストレータム、コードファシアタム、ラバレィ、ランベルティ、リベリエンセ、ロエンバージ、ロロフィーetc…

などなどアフィオセミオン属だけでかなりの種類がいることがわかります、またアフィオセミオンは原産地の環境から低水温を好むものが多いのですが、中には高水温を好むものもいるのでその種類にあった環境で育成することが大切です。

その中で特にオススメしたのがアフィオセミオン・オーストラレ、なのです

アフィオセミオンの飼育方法と注意点

アフィオセミオン・オーストラレに関しては、特に育て方という育て方はありませんがいくつか注意点はあります。

混泳について

アフィオセミオン・オーストラレの混泳は可能なのですが、やや気性が荒く、小さい魚などは追いかけ回してしまったり弱らせてしまうこともあるので、混泳は注意が必要です。

同サイズのものは混泳可能です。

画像のように、アフィオセミオン・オーストラレよりも下層域で生活するようなものにはあまりちょっかいを出すことはありませんが、アフィオセミオン・オーストラレよりも上層域で生活するものはヒレをかじられたりすることが多いので注意が必要です。

水温について

また水温はやや低めの25度以下を好みますので、夏場の飼育には注意が必要です。

涼しい水温を維持できる環境にできない場合は、水槽用のファンをつけたり、フィルターホースに取り付ける冷却装置を活用するなどして水温を調整してあげましょう。

フタが必須

アフィオセミオン・オーストラレはジャンプすることが多く、フタに隙間があったりするとそこから飛び出しなくなってしまうという事故が少なからず発生してしまいます。

それを防ぐためにもフタは一分の隙もないぴったりとしたものを取り付けるようにしましょう。

水質が合わなかったり、水温が高かったり、他の生き物に驚いたりして飛び出すことがあるので、常にフタは閉めてあげるようにしましょう。

アフィオセミオンの繁殖について

卵の乾燥が必要な年魚と違い、非年魚のアフィオセミオン・オーストラレは繁殖も狙うことができます。

繁殖を狙うことができる条件として、特に厳しいものはなく水草や浮き草など(ピートモスやウィローモスが特に有効)がある程度茂る水槽内では、普通のメダカのように繁殖が可能で気づけば卵が産み付けられていたり、稚魚が泳いでいたりします。

ただ水温が高温になるとメスは抱卵することはなくなるので、夏場の管理は注意が必要。

アフィオセミオン・オーストラレは飼育難度も低く、この水温と飛び出しに注意しておき気長に飼い込んでいればいづれ繁殖の兆しが見えてくる。あとオスとメスにあまりにサイズ差がありすぎると、追いかけ回してボロボロにしてしまうことも少なくありません。

また混泳飼育をしている場合は、繁殖をややしにくくなるので可能であればペアの単独飼いをしている方がいいと思います。

 

うまくカップルが成立すると、

体をすり合わせて愛を育む、このような場面を見ることもできます。

卵や稚魚を見つけることができたら、同じ水槽に入れておくと食べられてしまうことがあるので、他の容器やサテライトに避難させてあげましょう。

まとめ

卵生メダカの入門魚といってもいいアフィオセミオン。その中でもアフィオセミオン・オーストラレは育成も繁殖も容易で、美しい見た目も見ていて飽きません。

市場にも多く出回っていて入手も容易、販売価格もペアで1000円ほどと、他の卵生メダカに比べグッとお安いのもポイントです。

注意点は、水温・飛び出し・サイズ差くらい。

気楽にはじめられる卵生メダカのアフィオセミオン・オーストラレ、デビューしてみませんか?

 

 

くらしをあげる、kuranでした。

■ながーいフォルムがかわいい■