椿や山茶花に毛虫が発生したら要注意!厄介なチャドクガの対策
- 2019.05.10
- くらしの雑記
この記事は【虫画像なし】です。
家の周囲にツバキやサザンカなどのツバキ科の木が植わっている場合、チャドクガが来る可能性があります。チャドクガ(茶毒蛾)はその名の通り、お茶の葉っぱが好きな毒を持つ蛾のことです。この記事では、茶毒蛾を見つけてしまったら、その危険性と対策、駆除方法と予防策をご紹介します。
チャドクガの幼虫との出会い
子どもが2歳の時の初夏、言葉をチョロチョロ話せるようになった頃、庭に植えてあるツバキの木を見て言いました。
「虫さんご飯食べてるねー、みんな仲良しだねー。」
ん?
虫さん?
彼らはきっと前からそこにいたのに、今まで全然気付きませんでした。ツバキの葉に整然と並び一心に葉をむさぼり食う集団に。ツバキにあまり興味がなかったからかもしれません。
見た瞬間とっさに子どもを遠ざけ、その毛虫について調べました。検索するとすぐに判明、それはチャドクガの幼虫。見た目も特徴も完全に一致しています。
チャドクガとは?
チャドクガ(茶毒蛾)は、黄色いモフモフの毛をもつ2~3センチほどの蛾で、可愛らしい見た目とは裏腹に、その体毛は毒針毛(どくしんもう)で覆われ触ると危険です。ツバキやサザンカなどの葉に卵を植えつけます。この卵もモフモフで覆われ、触ると危険、さらに生まれてくる幼虫たちも毒針毛を持ち、生涯危険な存在です。
チャドクガの発生時期
幼虫は5月下旬ごろから発生し始めます。葉を集団でむさぼり、葉を食い尽くしていきます。
厄介なのは年一度ではなく9月ごろにももう一度発生するところ。チャドクガは年に二回も産卵し、冬前に産んだ卵は越冬もできます。なので幼虫を駆除したくない場合は、冬の間に対策をするのが賢いかもしれません。
チャドクガの幼虫を見つけたら
本当は発生前に対策を取るのが1番なのですが、発生してしまった後は駆除をするしかありません。
しかし、どうもこの毛虫たちはそんじょそこらの毛虫とは訳が違い、駆除には相当な労力が必要そうです。
何が大変か。
先ほども触れた毒針毛が危険過ぎるからです。チャドクガの幼虫は身体中に毒のある毛を持っています。この毒針毛はとても細く繊細で、簡単な刺激ですぐに抜け落ち、対象の体に刺さります。細く繊細な故に刺さると取れにくく、毒も強力なので激しい痛みに襲われ、場合によっては1ヶ月以上も痛みとかゆみに見舞われるそうです。
風に舞う見えない大量の毒針を防ぎながら集団の毛虫を取り除く作業、簡単なわけがありません。
でもやるしかない、見つけてしまったらもう今、やるしかない。
でも、自分でやるのはオススメできません、ここはプロの業者に任せるのがいいです。風下に入りもし飛んできた毒の毛が目や口に入ってしまったら大変だからです。大量の毛虫が並んで葉っぱを食べていたら既に手遅れ。すぐに害虫駆除業者にご連絡を。
kuranは自力駆除しましたが、大変危険なので全くオススメできません。
チャドクガに刺されたら
チャドクガの毒針毛に触ってしまうと痛みがきますが、その痛みは遅れてくることがあり、3時間ほどしてから痛みやそしてかゆみが出てくることがあります。
見えないほど細い毛なので、直接触れたことがわかっている場合はともかく、風に飛ばされてきた場合などは気付きにくく、家に帰ったらブツブツになり痛みが出てきた、なんてこともあります。直接目で見て触ったことがわかったら、その箇所を触ったりせず50度以上のお湯をかけるかガムテープなどで毛を取り除きましょう。
その後病院で、チャドクガに刺されましたと伝えれば薬がもらえます。かゆみは2週間以上は続くので、体の部位によってはかなりの地獄。
発生した幼虫を自分で駆除してみた
休日の朝に見つけたので、不幸中の幸いにも格闘する時間はたっぷりあります。子どもを家の中へ避難させ、風がほぼ吹いていないのを確認、天気も晴れ。
絶好の駆除日和。
まずは駆除道具を揃える
まずは大きなゴミ袋を二重にして、口を大きく開けて固定。
全身をいらない服で揃え、帽子やタオルなどすべて捨ててもいいものを着ます。
肌を全て覆い、手はゴム手袋、靴は袋でカバーし、帽子、顔はマスクとタオルで隠し、ゴーグルをはめて完全に変人の出来上がりです。
手にはキンチョーの「イヤな虫キンチョール」を2本、そばには枝切りバサミ(切った枝をつかめるタイプ)を用意。それと虫の処理に長めのトングも。
いざ、駆除開始
まずは虫の位置を確認します。
習性なのか、全員が一列に並び固まってくれています。
木の1番上にいる集団から下へ下へ、キンチョールを惜しむことなく吹きかけます。
吹きかけると、ぽとぽとと落ちていくものと逃げようとするもの、中には体を持ち上げ左右にゆらゆら揺らすものがいました。なにその動き…。き、気持ち悪い。なぜ体を揺らすのか。それはあとで知りましたが、これは迎撃態勢で体の毒針毛を飛ばしている動きだそう。。
お、恐ろしい。
これもあとで知りましたが、実はチャドクガ専用のスプレーもあり、こちらは毛が飛び散らないようジェル状に固まり幼虫をからめとるようです。殺虫剤ではないので殺せないようですが、固まるのでより安全にやるならそちらの方がいいでしょう。あの迎撃ダンス、夢に出そうです。
キンチョールのスプレーは効きます。大多数はこれでボロボロと枝から落下します。しかし落下するときに糸を垂らしてパラシュートのようにするものがいて、それもまたなかなかおぞましい光景でした。
ここまで当時の様子をとらえた写真がないのは、それだけパニック状態になっていたということです。発見からここまで、本当におぞましい光景の連続でした。何度も心が折れ逃げ出したくなる気持ちをぐっと抑えて格闘すること2時間でとりあえず全ての虫は地面に叩き落しました。
葉の表、裏もすべてチェックし、スプレーで徹底的にやります。ツバキのことは心配いりません、そんなにヤワな植物ではないのでガンガンいきましょう。葉が入り組むようにたくさん茂っていると奥にいるやつらには届いてない可能性があるので、奥までしっかりスプレーします。
落下した虫を丁寧にトングで掴んで袋に入れていきます。1匹も残さずに取りきりましょう。虫を全て取り除けたら一安心。
枝をすきつつ卵を探す
枝や葉が茂っていると、風通しが悪くまた虫が発生します。なので、茂り過ぎている場合は枝を切っていきましょう。虫がついていた枝はもちろん、葉が重なってしまってるようなところはガンガン切ります。また、チャドクガの卵がないかを探しておきましょう。チャドクガの卵にも同様に毒針毛がついていて、触ると危険ですし、スプレーの効果が届かずまた大量に発生してしまう可能性があります。
黄色いふさふさの毒毛布に包まれています。見つけたら葉っぱごと切り取ってポイしましょう。
卵が産みつけられるのは葉の裏側。
ひとつでも逃すと大惨事に。一枚一枚要チェックです。
後片付けも大切
すべてをゴミ袋にいれます。
切り落とした枝や葉、着ている服、靴に被せた袋。
二重にしている袋の一つをしばり、手袋と外してそこへ捨てます。そのあと外側のゴミ袋をしばれば完璧です。
そのあと、ポットなどでお湯を沸かします。お湯が沸いたら、それを虫が落ちた辺りにかけておきます。毒針毛が散らばっていたら危険なので、お湯で毒抜きをしておきます。チャドクガの毒は主にタンパク質で、50度以上のお湯をかけると無毒化されるようです。
使用した道具でまだ捨てたくないもの(トングなど)も熱湯をかけておけば安心です。
二度と発生させない!オルトランのすすめ
お湯が冷めたら最後の仕上げです。
虫が発生したツバキやサザンカの木の根っこ周辺に、オルトラン錠剤を撒きます。
このオルトラン錠剤は、雨などで溶け出し木の根っこから吸い上げ、やがては全体に広まります。すると木全体が強力な殺虫剤となり、もし次発生しても葉をかじったら駆除することが可能です。ホームセンターなどで売られています。
このように木の根付近に撒き散らし、水をやります。
我が家では去年の5月に大量発生し(ているのを気づいた)駆除→オルトランを撒きましたが、9月になっても発生する気配もなく、卵も産みつけられませんでした。オルトランを撒くと、卵を産むのも防げるのかもしれません。今年もこのまま発生しなければ、オルトランがかなり効いていると判断していいと思います。なんせ去年は葉の裏が卵だらけでしたから、ほんとに。
また追記しますが、オルトランは効果があるとすでに確信しています。
でもデメリットがあります。
それは、オルトランの匂い…。袋を開けると、臭いです。どんな匂いかは説明が難しいですが、根菜の入った煮物を腐らせたような臭いです。
家の中では開けないことをオススメします。
まとめ
チャドクガは本当に恐ろしい害虫です。
▶︎幼虫にも、成虫の蛾にも、さらには卵にも、毒のある毒針毛がびっしり。
▶︎毒針毛は数も多く風にも飛ばされ拡散する見えない兵器。
▶︎刺された痛みは激痛からの長期間のかゆみ、皮膚もブツブツになります。
▶︎幼虫は、集団で発生し行動する。その見た目のおぞましさは夢に出る。
▶︎チャドクガの幼虫が好きな葉は茶系。ツバキやサザンカは庭木や公園などそこかしこに植えられている上、子どもが遊びまわる季節に発生している。特に小さいお子さんがいる場合、手入れの行き届いていなさそうなツバキやサザンカには近づかないほうが無難です。
恐ろしいチャドクガ、その存在はとても身近に。みなさまお気をつけて。
自力で駆除する場合はご近所さんにも周知を。風で毒針毛が飛ばされ周りも注意が必要です。
くらしをあげる、kuranでした。
◼︎幼虫の集団は鳥肌ものです◼︎
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